製缶板金とは、鉄やステンレスなどの金属板を切断や曲げ、溶接など行い容器または骨組み状のものを作り出す加工のことを言います。また、製缶板金加工は、一部に機械加工を用いて、より複雑な形状の構造物を作り出すことがあることから、広義の意味での板金加工とは区別して考えられます。さらに、製缶板金の加工には、熟練した溶接の技術が必要となります。溶接技術については、機械化が進んでいる現代に至っても、職人の手腕によって仕上がりの良否が決まる部分が多く、企業の規模を問わず優秀な溶接工を有する事業者が強みを発揮する分野と言えます。以下、製缶板金の加工品の例をあげます。
上の加工品例の通り、製缶板金の加工品は、その形状は様々ですが、私たちの身の周りで欠かすことのできない構造部品として広く使用されています。製缶板金の加工としては、切断・抜き加工や曲げ加工、溶接、穴あけ加工、研磨、表面処理といった工程を経ます。生活基盤を支える製缶板金の加工技術ですが、人による手作業が多く、特に溶接などは人的要素が大きな加工となります。加工において人の手がかかるということは、作業者の工数削減がコストにも直接影響を与えます。製缶板金品のVA・VEコストダウンを図ることにおいて、設計者は、製缶板金の加工について理解を深め、作業者の工数を如何に削減できるかを検討し設計を組み立てることが求められます。