製缶板金加工で製作する架台やフレームに使用されるアングル材(等辺山形鋼)におけるコストダウンの基礎知識をご紹介します。
架台やフレームは工作機械、半導体製造装置、分析機器、食品機械などの産業機械における骨格であり、工作機械などのスピンドルが駆動し運転による振動や、機器自体の加重を受けるため、堅牢なつくりでなければなりません。そこで、製缶板金加工における架台・フレームには、厚板や十分な溶接構造が求められ、アングル材(等辺山形鋼)、チャンネル(溝形鋼)、角パイプ、角棒など、耐久性と剛性に強い材質が使用されます。
鋼材の中でも、断面が「L」の字に近い鋼材が「山形鋼」と呼ばれています。アングル材はその中でも両辺のサイズが等しい鋼材(=等辺山形鋼)のことを指し、両辺のサイズが異なる鋼材を不等辺山形鋼と呼びます。アングル材の特徴としては、強度と抗張力(引っ張り強さ)に優れており、歪みがなく加工性が高いところです。この特徴を生かし、産業機械の部材や建造物の補強や受け枠、工場施設など、幅広い用途に対応できます。
アングル材をフレームや架台に使用する際には、欠き込み加工を行い、溶接位置のずれ防止・強度を出すことがあります。欠き込み加工には油圧にて切断するアングル加工機やバンドソーを用いますが、特に大物や厚物のアングル材の場合にはバンドソーにて加工を行います。但し、アングルのサイズが大きい場合には切断長が長くなるので、バンドソーではなく固定式の高速切断機を使用して欠き込み加工します。
アングル材は標準的に流通している規格品であるため、一般的には標準のアングル材を使用する場合がコストダウンにつながるとされています。しかし、穴あけ加工、タップなどの複雑な機械加工・追加工を行うときや、流通性が乏しいサイズのアングル材が要求される場合には、市販のアングル材を使用するとかえってコストアップ、長納期となる場合もあります。そこで、例えば、板金から抜き加工、曲げ加工を行って、アングルを製作する方がコストも安く、また、短納期に仕上げることができます。もちろん、その場合には強度を考慮しておく必要がありますが、設計・開発段階からのコストダウンを行う手段としては有効な方法の1つです。
アングル材を使用する場合のコストダウン対策には、流通性や機械加工・追加工の手間を考慮した上での設計検討が必要です。そのためには、アングル材が使用される製缶板金加工製品の用途や使用環境をトータルで評価することで、最適な材料選定および加工方法の選択、コストダウンが可能となります。
製缶板金加工.comでは、アングル材を使用する架台・フレームに代表される製缶板金加工製品の製作を得意としており、設計・開発段階からのコストダウン、納期短縮などのVA・VE提案を行っています。
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