製缶板金加工品の代表的な製品でもある、オイルパン(クーラントタンク)の基礎知識についてご紹介します。
製缶板金加工品の代表的な製品であるオイルパンは、別名、クーラントタンクとも呼ばれます。オイルパンは工作機械などに使用されるクーラント液や潤滑油を受け止め、機械の外部への漏れや、機械の内部へ逆流してしまうことを防ぐために設置され、必ず工作機械とセットで使用されます。
工作機械の場合、ワークを切削する際に加工個所にクーラント液(切削液とも呼ばれます)を吹きかけます。これにより、工作機械による切削加工中に発生する熱を除去するほか、潤滑化によって加工精度を向上させる効果が期待できます。また、クーラント液を吹きかけることによって、切削によって発生する切り屑を洗い流し、切り屑の堆積を防ぐことができ、切削不良を予防することもできます。
また、クーラント液は使い捨てのものではなく、クーラント液浄化装置を通じて汚れを取り除き、冷却を行って再利用するというサイクルを繰り返します。これによってクーラント液は浄化され、工作機械の切削精度の低下を防ぐことができます。オイルパンはクーラント液浄化装置へ循環させる前に使用後のクーラント液を受け止めるために設置されます。工作機械から戻ってくるクーラント液には切削の粉やスラッジと呼ばれる油や錆などの沈殿物も混じっております。オイルパンはこれらによって腐食を起こさない材質を選定しなければなりません。オイルパンの腐食によりクーラント液が流出してしまうと、クーラント液浄化装置および工作機械の機能低下にもつながります。
オイルパンに溜まったクーラント液はトイ溝より排出され、別のオイルパンやダクトへ流されていきます。スペースや工具の装着位置の関係から、オイルパンの設置箇所が複雑形状になる場合も多くあります。その場合、オイルパンの取り付け面も装置への取り付け面に合わせて複雑な形状になります。オイルパンのような水漏れが厳禁とされる製缶板金加工品の場合は、板材の結合部に全周溶接を行いますが、特に複雑形状の箇所に全周溶接を行う場合には入熱管理が難しいため、熟練した技術が必要になってきます。工作機械の性能を左右するクーラント液を取り扱うオイルパンだからこそ、適切な材料選定と高度な溶接技術が必要であると言えます。
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