製缶板金加工品の代表的な製品でもある、工作機械や産業用各種装置のフレーム制作の基礎知識についてご紹介します。
製缶板金加工品の代表的な製品であるフレームとは、工作機械や産業用各種装置の「骨組み」のことを指します。また、架台とは、下から何かを支えるための構造物のことを指します。フレームと架台の線引きは難しい場合もあるため、「架台フレーム」と表すこともあります。
フレームに求められる機能は、3つあります。
1つ目は強度です。工作機械・産業用各種装置部品の重量や振動、また装置と制御装置を繋ぐ電線の重量の負荷に耐える必要があるからです。
2つ目は精度です。フレームの多くは、単体で使われるのではなく、ネジやボルトを使って工作機械や産業用装置に取り付けます。そのため、タップや穴の加工のピッチの精度が重要となります。
3つ目は、上記2点を満たすことが前提の上、軽量化です。必要以上に大型のフレームを製作すれば上記2点は容易に満たすことができますが、材料コストアップ、加工コストアップ、スペースの圧迫などのデメリットが発生するため、軽量化することがコストダウンにつながります。
また、大型産業用装置などは小さな装置が複数組み合わさってできているものもあり、フレームも大型のものから小型のものまで複数が必要となります。大型フレームにかかる負荷は装置部品の重量の他、小型フレームの総重量も加わります。そのため、この場合も同様で、小型フレームの重量が軽量であればあるほどコストダウンにつながります。
強度確保のポイントは溶接方法にあります。材料の多くは角パイプ、アングル材(等辺山形鋼)、チャンネル材(溝形鋼 )であり、これらを組み合わせて溶接を行ないます。このとき接合部に、より溶接が溶かし込まれるよう開先加工後に全周溶接を行うことで強度を確保しています。また、補強材を使用することでさらに強度を確保することができます。
精度確保のポイントは2つあります。1つ目はタップ位置の精度確保のため、ある程度フレームを形状に溶接・組立を行なった後に、レーザ加工機やゲージを使った手作業によって穴やタップの加工を行なうことです。2つ目はフレーム全体の精度です。枠組み溶接を行うと、溶接よって枠が内側へ歪み、外径寸法に数ミリの誤差が発生してしまいます。この場合は、他のフレームを組み込む際に修正することが必要となります。
軽量化のポイントは、材料の変更です。従来肉厚の厚い角パイプを使っていた箇所を同強度のチャンネル材(溝型鋼)に置き換えることで軽量化を実現できます。また、強度上問題がなければ鉄からアルミニウム(鉄の1/3の重量)に変更することで軽量化が可能となります。
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