製缶板金加工では下記の写真のように曲げ部位に切りかけがあると曲げ面と曲げない面の交点部位が引っ張り合う為に変形(歪)が発生します。
写真では見難いかですが、左の写真では板の全体面と曲げた端面が平行が出ていません。右の写真ではスキマが発生しています。これが、曲げ加工部の切欠け変形(歪)です。写真は小さい部品ですが、これは歪をわかりやすくするためであり、大きな製品でも同じ事例、歪が発生します。そこで、この歪の発生を抑える為に曲げ面と曲げない面の交点に切込み入れた加工をすることで歪の発生を抑えます。下記のその写真です。
写真のように変形防止として切込みを入れることにより、歪の発生が抑えることが出来、中央の写真のようにスキマが発生しません。難点は右写真のように角が出ている為に、安全性が若干損なわれることです。これば抜き加工時に角にR1かR2の加工をすることによって解決がします。
製缶板金加工品としては、上記写真のどちらでも正解のように製作をされています。又意外と製作側でも見逃しやすい加工事例ですが、製品が取り付いた時にスキマなどが発生する為に、歪のある製品を外観品の製品として製作してしまうと見栄えが悪くなり、全体の品質を落とすことになります。
この基礎知識は製作コストに関係があまりない為、設計者の方には製作図中にこのような部位には『 切り込み可 』や『 切り込み角部は最小R加工のこと 』と記載していただくと、精度の良い製品が出来ます。
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