製缶板金における、ダクト製作の基礎知識をご紹介します。
製缶板金加工製品の代表でもあるダクトは、建築物内の空調、換気、排煙などを目的として設置、使用されています。ダクトは一般の建築物や工場に必ずと言ってもよいほど使用されている製缶板金品で、ダクトの中を流れる空気が滞留してしまうと、風量の減少や、温度管理ができないといった問題が発生してしまいます。一方、空気が流れすぎてしまうと過剰に空気を流してしまうことにもなりますので、ダクトの設計には断面積や流れる風量、気体の性質を考慮した設計が必要になります。また、建築物だけではなく、工作機械ではクーラント液の水蒸気を取り扱う際の吸塵ダクトなど、産業用の機械にも使用されています。
製缶板金品のダクトには、SPHC(熱間圧延軟鋼板)や亜鉛メッキ鉄板、ステンレス鋼板などがよく使用されています。取り扱う気体の性質と、ダクト製作のコスト、加工性などのバランスを見て材料の選定を行います。
また、ダクトは形状によっていくつかの種類があり、設置場所の要求によってその組み合わせが変わります。
<直管>
同じサイズでまっすぐになっているダクトを直管と呼びます。定尺の鉄板からそのまま製作したものを定尺ダクトと呼びます。
<エルボ>
曲がったダクトのことをエルボと呼びます。曲げの角度は90度が標準ですが、任意の角度に曲げることも可能です。カーブや変形、ねじれを加えることもできますが、断面積が少なくなると抵抗が増してしまうので、圧力損失を考慮しなければなりません。
<ホッパー、レデューサー>
入口と出口のサイズがそれぞれ異なっているダクトをホッパー、レデューサーと呼びます。角型のダクトの場合はホッパーと呼ばれ、円形のダクトの場合にはレデューサーと呼ばれます。ホッパーの場合も、レデューサーの場合も、有効寸法が確保されていないと騒音が発生してしまう場合があるので、設計段階にはダクトの設置場所を考慮しておく必要があります。
<分岐管>
二股や三股などの複数に分岐しているダクトを分岐管と呼びます。使用目的は分岐だけではなく、集合のためにも用いられます。円形のダクトの場合はT管、Y管、TY管と呼ばれる分岐管もあります。
<閉止板、閉止カラー>
配管されたダクトの末端を閉鎖するときに使用される板を閉止板、閉止カラーと呼びます。負荷がかかる高速ダクトなどにはリブ補強やアングル補強を行う場合もあります。
一口に“ダクト”と言っても、その形状と使用目的によって、呼び方も変わり、製作方法も変わります。また、空気の流れを作り、適切な量を、適切な温度で流すためにはダクトが設置させる環境、条件を押さえたうえで設計を行わなければなりません。
製缶板金加工.comでは、一般建造物用だけではなく、工作機械に使用されるような特注のダクトの設計、製作を多数行っています。使用目的、使用個所に合わせて最適なダクト製作のご提案をさせて頂きます。詳細につきましては製缶板金加工.comにお気軽にご相談ください。